ビクトリア教育修了証(Victorian Certificate of Education: VCE)
ビクトリア教育修了証(VCE)は、11・12年生を対象とする高校卒業資格です。VCEは国際的に通用し、世界各地の大学入学への道が開けるほか、海外雇用する企業からも高く評価されています。海外で就職を考えている人にとってVCEは極めて有利になり得ます。国際的な企業が認めるのは、VCEの以下2つのポイントです。
ビクトリア教育修了証(VCE)は、11・12年生を対象とする高校卒業資格です。VCEは国際的に通用し、世界各地の大学入学への道が開けるほか、海外雇用する企業からも高く評価されています。海外で就職を考えている人にとってVCEは極めて有利になり得ます。国際的な企業が認めるのは、VCEの以下2つのポイントです。
- 資格
- オーストラリア高等教育入学ランキング(Australian Tertiary Admissions Rank: ATAR)スコア
VCE修了により、大学と職業教育機関のどちらにも進学できます。この柔軟性により、学生が将来希望する進学やキャリアに合わせた教育を受けることができ、必要な技能、知識、進路を手にすることができます。
ユニット構成
VCEは通常、主に11・12年生の2年間で受けます。ただし、VCEの一部ユニットを10年生から受けられる学校も多くあります。VCEの構成は柔軟性があり、学生は各年度に受けるユニットの調整ができます。VCEプログラムは全部で4ユニット(ユニット1~4)からなり、それぞれ学期単位になっています。
- ユニット1と2は通常11年生で修了しますが、10年生または12年生で受けることも可能です。
- ユニット3と4を受けるのは通常12年生ですが、学習が進んでいれば11年生から始めることもできます。これらのユニットはATARスコアに直結し、ユニット1と2で習得した知識に基づきますので極めて重要です。
VCEを修了するには、選択した科目を65%以上の得点で合格する必要があります。その中の英語科目として、留学生のための第二言語としての英語(EAL)も含まれます。学校は、学生が将来目指している進学やキャリアの目標に合わせて学習計画の立案や調整ができるよう、ガイダンスを行います。
科目
VCEでは90以上の科目から選択できます。(英語以外に)中国語、ベトナム語、韓国語、日本語などの言語科目もあります。
各学校では、学生数により、通常20~30科目を用意しています。例えばビクトリア語学学校(Victorian School of Languages)で受講するなど、学校外で履修できる科目もあります。
9教科で90以上のVCE科目があります。
- 英語:英語4科目から選択
- (英語以外の)言語:英語以外の40以上の言語から選択
- 理科:理科5科目から選択
- 数学:数学5科目から選択
- テクノロジー:テクノロジー5科目から選択
- 芸術:音楽3科目、舞台芸術3科目、視覚芸術3科目など10科目から選択
- 人文科学:歴史8科目、政治3科目など人文科学17科目から選択
- 商業:商業5科目から選択
- 保健体育:保健体育3科目から選択
VCEの全科目リストは、ビクトリア州カリキュラム・評価局(Victorian Curriculum and Assessment Authority)で用意しています。
ビクトリア州芸術大学中高校(Victorian College of the Arts Secondary School)で は、音楽や舞台芸術分野で独自のカリキュラムを用意しています。
既習科目の認定
留学生は、自国やオーストラリアの他の教育機関で修了した科目について認定が受けられます。単位認定を申請することで、既習した科目をVCEの単位として認定を受けることが可能です。認定されれば、ビクトリア州立校で同じ科目を再度履修する必要はありません。
評価
VCEでは、評価が学習成果に基づいて行われます。この成果は、特定のユニット修了時点で習得した内容を定めるものです。ビクトリア州立校では、年度を通じて評価タスクを課し、学習の進捗度を確認します。
学生の評価方法は以下があります。
ATARスコアと大学進学
VCEで、オーストラリア高等教育入学ランキング(Australian Tertiary Admissions Rank: ATAR)スコアが得られます。このスコアは、他のオーストラリアの学生と比べて成績をランク付けするもので、オーストラリアの大学課程への入学資格の判断材料となります。
このスコアは、通常11・12年生で履修するVCE科目の成績を反映したものです。A+からEまたはUG(評価なし)で評価します。各VCEユニットは50点満点で採点されます。
科目選択や大学入学の要件などについては、VCE開始前と学習中に、学校のコースコーディネーターやキャリアアドバイザーから、詳しいアドバイスが受けられます。留学生コーディネーターが方向性を定めるための助言をすることもできます。